イングリッシュ・リブート(English Reboot)を使って勉強してみた率直な感想と評価
お勧めNo.1 教材
今回の記事では、最近発売された“メソッド系”の英語学習教材「English Reboot(イングリッシュ・リブート)」を試した際の感想をレビュー形式で紹介してみたいと思います。
メソッド系の英語教材といえば、日本ではピンズラー英会話が有名だと思いますが、このイングリッシュ・リブートも同様な学習法を取り入れています。つまり、ステップ形式によって学習を進めていきます。
また、イングリッシュ・リブートは「音声のみで英会話のアウトプットの練習が出来る」という点もピンズラーと似ています。実際にやってみるとわかりますが、ピンズラーは少々音声が古臭い作りになっています。
どこか「モコモコしたようなこもった音声の質」だと思いますので、高音質の音声データーに慣れた現代人には余計に古臭く感じます。おそらくピンズラーの元の音声はテープ音源だったのではないでしょうか。
また、ピンズラーで使われる英語表現は同じ表現をしつこく繰り返すので、学習効果についての面では良いのですが、単調と言えば単調です。
その点、このイングリッシュリブートは実際の会話をベースに作られた表現と3ステップ方式で英語を学んでいくので、単調という感じはありませんでした。
イングリッシュ・リブート(English Reboot)の著者は?
このイングリッシュ・リブートを制作した著者について調べてみると、イギリス人のマリ・マクラーレンという方が作っているようです。この方の本業は日本の私立中高で英語教師として働いていらっしゃるようで、他にも、作家や翻訳家として活躍されているようです。
この教材以外にも様々な出版社と共同して人気英語教材を出版されているようです。有名な英語学習本、イングリッシュジャーナルにも記事を提供しているとの事です。日本本在住10年以上という方で、日本語も独学でマスターされているようで、自身で英語学習のためのウェブサイトも運営されている方のようです。
- British English Master(ブリティッシュ・イングリッシュマスター)
- British English Idiom Master<(ブリティッシュ・イングリッシュ・イディオムマスター)
- Business English Master(ビジネス・イングリッシュマスター)
- 日本人が知らないイギリス英語入門
今回、私が試したこのイングリッシュリブートという教材のコンセプトは「中学校で勉強した英文法をゼロからやり直して英語を話す為の基礎を作る!」という事がコンセプトになっています。
そして、豊富なダイアログや例文を通して英会話で実際に使えるフレーズと表現を学べます。特に例文の数が他の教材と比較しても圧倒的に多いので、この点は非常に評価すべき点です。やはり英語は例文から学ぶ事が基本です。
私の知っている限り、日本人の英語学習者の多くは「ボキャブラリーの知識は多い(単語を沢山知っている)」という人がとにかく多いですし、「リーディングや文法に関しても得意」という人が多いです。
しかし、「英語を話す」=「自分の口からアウトプットする」事が苦手という人が非常に多いです。
つまり、その持っている英語の知識を使ってコミュニケーションとる事が出来ない人が非常に多いと思います。これは日本の「受験の為の英語」という考えから生まれてしまったものだと思いますが、知識としてはかなり多くの英単語や英文法を知っていても、それを活用して英会話を出来ない人が多いです。
その最も大きな理由として「基礎レベルの文法が自分で使えていない」という事が関係しています。単語を沢山知っていても、文法パターンが使えないとしっかりした英会話は出来ないと思います。この教材は、まさにそういった日本人の英語学習者の問題を解決するような教材です。
イングリッシュ・リブートは何処で手に入る?
他のボリュームの多い(=高価!)教材は実際の本やCDがついた教材なので、購入してから実際に手元に届くまでに時間がかかります。
その点、イングリッシュ・リブートはダウンロード式の教材なので買った後に直ぐにダウンロードリンクを押して自分のパソコン(またはタブレットなど)にダウンロード出来ます。
私の場合はクレジットカードで購入したので、購入後わずか5分後で教材を利用する事が出来ました。これは忙しくて直ぐに英語を勉強したいという方には大きなプラスポイントだと思います。
テキストはPDFファイル形式なので、どんな端末でも簡単にファイルを開く事ができます。データを開いた後、すぐに「この教材はコンテンツが豊富」と直ぐに分かりました。
テキストは「333ページ」あり、音声ファイルは「277個」もあります! 他の教材と比較してみるとわかりますが、イングリッシュ・リブートのコンテンツのボリュームは非常に多いという事が分かる思います。
今回私は、クレジットカードで購入しましたが、他にはPayPal、コンビニ払い、銀行振り込みというオプションもあるので、買いやすい工夫がされていますね。
イングリッシュ・リブートの学習コンセプト
この記事のイントロダクションでも少し触れましたが、イングリッシュ・リブートは簡単にいうと「英文法のやり直し」というコンセプトで作られています。
しかし、今まで勉強してきた「受験の為の英文法」の勉強と違って、文法ドリルなどのつまらない勉強方法ではなく、各レッスン毎に3ステップで「ダイアログ、実際の例文、プラクティス(練習)」という学習法を使って文法ポイントを学んでいきます。
各文法ポイントは「一人称、二人称、三人称」という順番で例文が紹介されていますので、とても分かりやすいと思います。そして、例文に使われているボキャブラリーはとても簡単なので「文法パターン」だけに集中出来る点も良いと思いました。
ダイアログと例文には必ず日本語訳が付いていますので「この文章の意味が分からない!」という事はありません。そして辞書を引く手間も省けます。この教材には、全部で「12レッスン」があります。そして、各レッスンには「3つのセクション(ステップ)」があります。
Step 1 – Dialogues(ダイアログ)
ステップ1では「3つのダイアログ」を使って、そのレッスンに出てくる文法ポイントを自然な会話で学んでいきます。単純な知識の詰め込みではないので、やっていくうちに自然と吸収されるといった学習スタイルです。
Step 2 – Grammar(グラマー)
ステップ2では、ダイアログに出てきた文法が細かく解説されています。例文の数はとにかく多いです。ここで実際の使い方を様々なパターンから学べます。やはり英語教材において大切なのは例文です。
Step 3 – Practice(プラクティス)
ステップ3では、レッスン1とレッスン2で勉強した文法ポイントを実際に口に出して練習していきます(学んだ知識を使ってアウトプットの練習)。
例えば、「日本語を聞いて英語に翻訳してみましょう」や「英語の文章を聞いて過去形にしてみましょう」といった文法パターンを練習していきます。
このステップ3の「プラクティス」という「アウトプット」の練習では、この教材の最もユニークな点だと思います。そして学習効果も高いと思いました。
単純に聞き流す英語教材が多い中、自分で実際に口に出してアウトプットの練習をさせる教材は少ないですからね。その点だけをみても貴重です。
この教材のセールスサイトには「お勧めの学習法」がいくつか紹介されています。こちら:「English Rebootの学習法について」
サイトで書かれているお勧めの学習法をまとめると、テキストを読んで音声を聞く事だけでもよさそうですが、プラスアルファの効果的な勉強方法としては、以下のようなやり方が紹介されています:
ステップ1: リスニング
教材の原稿を見ながら最低3回音声を繰り返して聞く事。
ステップ2: リピーティング
ダイアログ、例文を聞いた後に自分で声に出して音声に合わせて繰り返してみる。
ステップ3: シャドーイング
音声と同時に原稿に書いてある台詞を言ってみる。
ステップ4: アウトプットの練習
「Practice」というセクションを使い、そのレッスンで紹介された文法(レッスン1とレッスン2)を練習する。
ステップ5: ディクテーション
音声を聞いて、ポーズボタンを押して聞いた英語の文章をそのまま書き写す。
実は以前に当サイトで、リピーティング、シャドーイング、ディクテーションの学習効果、やり方について紹介しましたので、詳しい学習法や詳細が知りたい方、以下のページが参考になると思います。
学習方法に関する参考記事:
イングリッシュ・リブートでは、具体的な学習スケジュールは紹介されていませんが、私が実際にやってみた感じだと「1レッスンに一週間分のマテリアル」が入っているといったボリューム感だと思います。
つまり、大体の目安になりますが、約「12週間(約3ヶ月)」程度の期間学習を続けていけば、最後までやり切る事が出来ると思います。
個人的に思った事は前に勉強したレッスンを復習しながら次のレッスンを進めていくと、さらに学習効果も高まると思いました。
やはりこれはどんな事にも言える事ですが、「定期的な復習をする事」というによりインプットした内容は確実に記憶に残りやすくなりますね^^
イングリッシュ・リブートを使ってみた実際の感想
私の現在の英語レベルは「中級レベルの学習者」だと思います。しかし、今でも基礎の英文章を作る時に間違えが出てきてしまうので、日頃より基礎文法の大切さを身に染みて感じています。
最初のレッスンはとても簡単にやりきる事が出来ました。be動詞のセクションは、ほぼ自分が知っている内容の情報だったので、難なく進める事が出来ました。
しかし、やはり音声として聞くと「聞き取れない時」や「正しい文章を言えない時」が多々ありました。以上の事もあり、やはり「Practice(プラクティス)」というセクションはとても良い勉強になりますね。
ステップ3のセクションでは、様々なパターンのアウトプットの練習をするので、原稿を見ずに「和英翻訳」する必要があります。つまり「瞬間英作文」のスキルを磨きます。この練習を定期的にすれば「スピーキング力は凄い上がる」という事を実感出来ます。
自分の頭で英作文しながら声に出すという作業は最初のうちは慣れないので、とても難しく感じると思いますが、その学習効果は非常に高いと思います。
そして、私がディクテーションを練習した時に、やはり「a」や「the」などが聞き取れなかったので、「リスニング力をもっと磨く必要がある」という自分の弱点を理解する事が出来ました。
各レッスンは前のレッスンよりも少しだけレベルが上がっていきます、「ステップバイステップ」という感じなので「分からない!」、「出来ない!」、「難しい」とは思いませんでした。
この教材は文法のパターンを理解する事がメインの教材なので、私が知らないボキャブラリーは出ませんでした。おそらくこの教材の著者はわざと誰でも知っている簡単なボキャブラリーを使っているんだと思います。
それぞれのダイアログの下には「ダイアログノート」というセクションあります。このセクションでは「自然な表現は~」や、「これがイギリス英語とアメリカ英語の違い」などの豆知識が紹介されています。
この点については個人的に面白いと思いました。文法パターンは分かりやすく紹介されていますので、初心者でも理解出来るように配慮されていると思いました。
音声のファイルはとても聞きやすいと思いました。この教材の著者は自分でナレーションをしたそうです! 彼女の英語はイギリス英語で、とてもはっきりと発音していますので比較的聞き取りやすいと思いました。
イギリスへ留学を考えている人にもお勧めです!そして、オーストラリアやニュージーランドに行こうと考えている人にも良いと思います。何故なら、オーストラリアやニュージーランドの英語の発音はアメリカ英語よりイギリス英語に近いからです。
この教材の販売サイトに紹介されている「イングリッシュリブートのお勧め学習法」を使って勉強していけば、自分の文法力、リスニング力、スピーキング力、翻訳力が自然と上がってくると思います。
結局は、どの英語レベルの学習者でも、もう一度ゼロから文法を復習する事は役に立つと思います。何故なら、ベーシックな英文法パターンをマスターしないともっと高い学習レベルに上げる事は難しいと思います。
イングリッシュ・リブートの良い点
この教材は他の英語教材と比較すると、「内容・ボリューム、価格」みても比較的リーズナブルだと思いますです。また、この教材ならではの良い点が沢山あると思いました。
先ずは、今までに当サイトで紹介してきた教材と比べると、イングリッシュ・リブートの価格は圧倒的にリーズナブルです。
例えば、有名な英語教材として「プライム・イングリッシュ」や「ネイティブ・イングリッシュ」はこの教材の6倍くらい高い値段です。一方、イングリッシュリブートはこれらの2つの教材と比較しても「テキストのページ数や音声の数」が圧倒的に多いです。
私はいつも通勤時に英語を勉強しているので、ダウンロード教材はとても役に立ちます。教材を買った後に直ぐファイルをタブレットにダウンロードしたので、その日に使い始める事が出来ました。
実際のテキスト(本)とCDがついている英語教材が好きな方もいると思いますが、注文してから実際に家に届くまで時間がかかりますので、「勉強したい!と思った時にすぐに手に入る」という点ではダウンロード教材に軍配が上がりますね。
もう一つの良い点は、この教材が使うボキャブラリーが比較的簡単という事だと思います。一般的に英語教材には時々、調べないと意味が分からない様な難しいボキャブラリーが使われた例文が出てきます。
その際にそのボキャブラリーの意味をわざわざ辞書で調べる必要があります。その点、イングリッシュリブートは難しいボキャブラリーは出てきませんので、無駄な時間をカット出来ます。つまり文法学習だけに集中出来ます。
会話で使う文法パターンをメインに学習する教材なので、わざと簡単なボキャブラリーが使われています。この点も学習者の視点に立って考えられた教材なんだと思います。
この教材で私が最も好きな気にいっている点は「Practice」というセクションです。何故なら、日本で販売されている多くの英語教材は「英語学習者の知識を使って作文させる教材は少ない」のが現状です。
多くの英語教材はリスニングが中心で英会話で最も重要なアウトプットの練習が全くありません。
プライム・イングリッシュやネイティブ・イングリッシュは発音の練習やリピーティングの練習をさせますが、自分の頭で考えて新しい文章を作る(英作文)というレッスンはありません。
そういった意味でイングリッシュリブートのような教材はとても少ないと思います。あえて言うと、最も近い教材は「ピンズラー」になると思います。
イングリッシュ・リブートのちょっと残念な点
個人的には特別「残念な点」という所はありませんでしたが、強いてあげるとすると「印刷されたテキスト(本)とCDが欲しい」という方にとっては「ダウンロードのみの販売」なので気にする方もいると思います。特に年配の英語学習者の方は実際の本とCDがないと不安という方も中にはいると思いますので、その点に関しては少し残念に思われるかもしれません。
確かに実際のテキスト本があればメモなどを書くことが出来ます。しかし、私の場合はいつもノートに自分専用の英語メモを書きますので、その点についてはマイナス点にはなりませんでした。むしろ即座に使えるダウンロード教材の方が私の学習スタイルにあっていると思います。
イングリッシュ・リブートをお勧めできるタイプの人
私の意見では、この教材を使うべき学習者は「久しぶりに英語の勉強をやり直したいと思っている人」、「もう一度ゼロから英語を勉強したいと思っている人」にはお勧め出来ると思います。
例えば、学生時代から一切英語を勉強していないというビジネスパーソンの方や、これから英会話に挑戦したい人にはとても良い教材になると思います。文法はとてもしっかりと紹介されていますので、これからTOEICなどの勉強をしようとしている人にも良いと思います。
そして、「英語の知識は多いが英語は話せない」という人にはさらにお勧めです。この教材では、「アウトプットの練習」をする事が出来ますので、自分の会話力をブラッシュアップをしたいなら、この教材はとても役に立つと思います。
イングリッシュ・リブートの総合評価
※5つ星の評価
- 使い易さ ・・・ ★★★★★
- 接続性 ・・・ ★★★★★
- 分かりやすさ ・・・ ★★★★★
- コストパフォーマンス ・・・ ★★★★★